国際結婚をする際に必要となる「認証(アポスティーユ)」について説明します。

例えば日本人とアメリカ人が婚姻をする場合、最初にアメリカで婚姻手続きをすれば日本で発行した「婚姻具備証明書(詳しくはこちら)」をアメリカの役所へ提出しなければなりません。

婚姻要件具備証明書(公文書)が、「日本の公の機関(法務局)が発行したから大丈夫でしょ」と思われますが、外国(例ではアメリカ)では使用できません。外国からすれば「偽物では?」と思うはずです。

そこで日本の外務省が「この書類は日本の公文書に間違いありません」というお墨付きをします。このお墨付きを『アポスティーユ認証』といいます。こうすることで外国の役所も安心して受理することが可能となります。

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アポスティーユ(認証)と公印確認の違い

書類の「お墨付き」をアポスティーユ認証とお伝えしましたが、本来はアポスティーユ認証ではなく、下記の方法で書類の認証をします。

①外務省で公印確認

②在日外国領事館で領事認証

上記2つの手続きが必要です。外務省と在日外国領事館の2か所へ行く必要があります。

つまり、公文書の「お墨付き」方法は下記の2パターンがあるという事です。

    • パターン1 外務省でアポスティーユ(認証)
    • パターン2 外務省で公印確認後、在日外国領事館で領事認証

では、どのような時にパターン1またはパターン2で認証をするかというと、「ハーグ条約」締結国か否かで区別する事になります。

ハーグ条約とは…?

1980年にオランダのハーグ国際私法会議で採択され,1983年に発効した「国際的な子どもの奪取についての民事上の側面に関する条約」のことです。ハーグ条約は,①監護権の侵害を伴う,②16歳未満の子どもの,③国境を越えた移動を適用対象としています。

    • ハーグ条約締結国…    パターン1(アポスティーユ認証)
    • ハーグ条約『非』締結国… パターン2(領事館認証)


ハーグ条約締結国

下記の国がハーグ条約締結国です。つまり、下記の国に日本の公文章を提出する場合、アポスティーユ認証でOKとなります。しかし、下記以外の国(主に中国、ベトナム、インドネシア等の国)は領事館認証となります。

アジア
シンガポール、スリランカ、タイ、韓国、中国(香港,マカオのみ))、日本、パキスタン、フィリピン

大洋州
オーストラリア、ニュージーランド、フィジー

北米
米国ア、カナダー

中南米
アルゼンチン、ウルグアイ、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、コスタリカ、コロンビア、ジャマイカ、セントクリストファーネイビス、チリ、ドミニカ共和国、トリニータ・ドバコ、ニカラグア、パナマ、バハマ、パラグアイ、ブラジル、ベネズエラ、ベリーズ、ペルー、ボリビア、ホンジュラス、メキシコ

欧州
アイスランド、アイルランド、アルバニア、アルメニア、アンドラ、イタリア、ウクライナ、ウズベキスタン、英国、エストニア、オーストリア、オランダ、カザフサタン、キプロス、ギリシャ、クロアチア、サンマリノ、ジョージア、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、セルビア、チェコ、デンマーク、ドイツ、トルクメニスタン、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベラルーシ、ベルギー、ポーランド、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ポルトガル、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国、マルタ、モナコ、モルトバ、モンテネグロ、ラトビア、ルアトニア、ルーマニア、ルクセンブルグ、ロシア

中東
イスラエル、イラク、トルコ

アフリカ
ガボン、ギニア、ザンビア、ジンバブエ、チュニジア、セーシェル、ブキナファソ、南アフリカ、モーリシャス、モロッコ、レソト


アポスティーユを取得できる場所(窓口)

【東京】

〒100-8919
東京都千代田区霞が関2-2-1 外務省 南庁舎 1階
外務省 領事局領事サービスセンター 証明班

【大阪】

〒540-0008
大阪府大阪市中央区大手前4-1-76 大阪合同庁舎 第4号館 4階
外務省 大阪分室証明班

アポスティーユの申請、受取り方法

  • 方法1 申請&受取りを窓口
  • 方法2 申請を窓口、受取りを郵送
  • 方法3 申請&受取りを郵送

ポスティーユ申請ができる人

  • 本人
  • 親族(知人)
  • 代理人(行政書士、弁護士等)
  • ※海外に住まれている日本人の方は親族または代理人へ依頼するのがベスト

申請時に必要なもの

(1)公文書の原本

アポスティーユが必要な公文書の原本を準備します。

①公文書の例

  • 戸籍謄本
  • 住民票
  • 婚姻要件具備証明書
  • 犯罪経歴証明書
  • 戸籍届出(婚姻・離婚など)受理証明書
  • 登記事項証明書
  • 納税証明書
  • 国公立病院または赤十字病院発行の健康診断書
  • 公立高等学校・中学校・小学校の卒業証明書
  • 公証人認証書(法務局長の公証人押印証明書が必要)
  • ※コピーは、不可。原本に限ります。

②注意

  • 公文書原本は発行日から、3か月以内のもの。
  • 発行機関が、記載されていること。【例】仙台地方法務局
  • 公印が押されていること。
  • ホチキス止めしている書類は、ホチキスを外さないでください。ホチキスを外すと、アポスティーユを付けてもらえません
  • 私文書(例:私立大学の卒業証明書等)に、直接アポスティーユは付けられません。
  • ※詳しくは、下記(2)私文書をご覧ください。

③私文書のアポスティーユ

私文書の場合は、公文書と異なります。

  • 外国語に翻訳

  • 公証役場で認証

  • 法務局長の公証人押印証明書という形で、公文書にする

  • 外務省でアポスティーユを取得

※国や提出先により、異なる方法があります。
※戸籍謄本は公文書ですが、その翻訳文は私文書になります。ご注意ください。

(2)身分証明書

運転免許証,住基カード,パスポート,在留カードなど(顔つき)

※郵送請求する時は身分証明書は必要ありません。これは、申請人住所への返送により本人確認できるからです。

(3)委任状

  • 代理人が申請する場合、委任状が必要です。
  • 委任状の様式は外務省ホームページからダウンロードできます。

(4)返信用封筒

  • 受取りが郵送の場合、返送用封筒を準備します。
  • 予め返送先と切手を貼り付けます。
  • ※レターパック、簡易書留等も対応可

(5)申請書

申請書の様式は外務省ホームページからダウンロードできます。

※注意
書類の種類ごとに申請書を作成する必要があります。
【例】婚姻要件具備証明書(地方法務局長)と戸籍謄本(市役所)の2種類をアポスティーユ取得する場合、申請書は2枚となります。

6.手続きの期間

日本でのアポスティーユ認証は、東京の外務省本省または大阪の分室のいずれかの窓口に出向くか、郵送で行うかのいずれかです。この場合、気を付けておきたいのが、手続きの期間。それぞれの期間は下記を参考にして下さい。

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